GUIDE 01
査定価格と実際の売却価格は何が違う?
家や土地を売ろうと思ったとき、まず気になるのは、
「いくらくらいで売れるのだろう?」
ということではないでしょうか。
不動産会社などに査定を頼むと、査定額が出ます。
ただし、査定額と、実際に売れた金額は同じとは限りません。
不動産を売るときには、主に3つの価格があります。
| 価格 | どんな金額? |
|---|---|
| 査定価格 | このくらいで売れそうだと考えた金額 |
| 売出価格 | 実際に売りに出すときの金額 |
| 成約価格 | 最後に買主と合意して、実際に売れた金額 |
この3つは、それぞれ意味が違います。
大切なのは、査定額が高いか低いかだけを見ることではありません。
なぜ、その金額になったのか。
ここまで確認することが大切です。
査定価格は「必ずその金額で売れる」という意味ではない
査定価格は、家を売るときの目安になります。
周辺で実際に売れた物件や、土地・建物の広さ、築年数、場所、建物の状態などを見ながら、
「このくらいの金額が考えられそうです」
と出す価格です。
ただし、査定額が3,000万円だからといって、必ず3,000万円で売れるわけではありません。
たとえば、査定額が3,000万円でも、最初は3,200万円で売りに出すことがあります。
そのあと買主から値下げの相談があり、3,050万円で売れることもあります。
反対に、条件のよい物件で買いたい人が多ければ、売主の希望に近い金額で売れることもあります。
つまり、
査定価格 → 売出価格 → 実際に売れた価格
という流れの中で、金額は変わることがあります。
査定価格は「この金額で売れる」という約束ではありません。
いくらで売り出すか、どのように売るかを考えるための目安と考えると分かりやすいでしょう。
なぜ査定価格と実際に売れる価格が違うの?
不動産には、株のように「今日の価格は○円」と一つに決まった値段がありません。
同じ地域の戸建てでも、
- 土地の広さ
- 土地の形
- 道路との接し方
- 築年数
- 建物の状態
- 駅までの距離
などが違います。
マンションでも、
- 広さ
- 階数
- 向き
- 築年数
- 管理状態
などによって価格は変わります。
また、売る時期によっても変わります。
近くに似た物件がたくさん売りに出ていれば、買主はその中から比較します。
反対に、同じような物件がほとんどなければ、買いたい人が集まりやすいこともあります。
売主の事情も関係します。
「時間がかかっても、なるべく高く売りたい」という人もいます。
「住み替えの予定があるので、○月までには売りたい」という人もいます。
さらに、買主から値下げをお願いされることもあります。
そのため、実際に売れる価格は、
物件の条件だけではなく、買いたい人がどれくらいいるか、いつまでに売りたいか、値下げ交渉があるか
などによって変わります。
査定額と実際に売れた金額に差が出るのは、特別なことではありません。
一番高い査定額を出した会社を選べばいいの?
複数の不動産会社に査定を頼むと、金額に差が出ることがあります。
たとえば、
A社:3,000万円
B社:3,150万円
C社:3,500万円
だったとします。
この数字だけを見ると、
「3,500万円と言ってくれたC社が一番よさそう」
と思うかもしれません。
もちろん、高い査定額が悪いわけではありません。
3,500万円で売れそうだと考える理由があり、その理由をきちんと説明できるのであれば問題ありません。
ただ、
「一番高い金額だったから」
という理由だけで会社を決めるのはおすすめできません。
大切なのは、
なぜ3,500万円なのか
を聞くことです。
たとえば、
- どの物件を参考にしたのか
- その物件と自分の家は何が違うのか
- 近くに売り出し中の物件はあるのか
- どのくらいの期間で売る予定なのか
などです。
不動産会社が売却の仲介を受ける際に価格について意見を伝える場合は、その理由を示すことが求められています。
ですから、査定を比べるときは、
金額だけではなく、その金額になった理由も比べる
ようにしてください。
査定額を見たら、何を確認すればいい?
査定結果を見たら、まず金額を確認します。
そのあとに、
「この金額は何をもとに出したのですか?」
と考えてみてください。
確認したいのは、たとえば次のようなことです。
- 近くで実際に売れた物件
- 比較した物件の場所や広さ
- 築年数
- 土地や建物の違い
- 公的な地価データ
- 今売りに出ている競合物件
- どのくらいの期間で売る想定なのか
「この地域なら3,000万円くらいです」
と言われるだけでは、その金額が自分の家にも当てはまるのか分かりません。
一方で、
「近くで似た戸建てがこの金額で売れています。ただし、その家よりこちらのほうが築年数が古いので、このくらいの価格を考えています」
と説明してもらえれば、かなり分かりやすくなります。
査定額だけではなく、なぜその金額なのか。
ここまで見ることが大切です。
リアルに不動産でも、査定価格だけではなく、取引事例や公的データなどを見ながら価格を確認できます。
売りに出ている価格と、実際に売れた価格は違う
自宅の近くで、売りに出ている家をインターネットで調べる人も多いと思います。
たとえば、近所の家が3,500万円で掲載されていたとします。
でも、その家が3,500万円で売れたとは限りません。
3,500万円は、あくまで売りに出している価格です。
実際には値下げして売れることもあります。
そのため、相場を調べるときは、
「今、いくらで売りに出ているか」
だけではなく、
「過去に、実際はいくらで売れたのか」
も見たほうが分かりやすくなります。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格や成約価格などを確認できます。
不動産取引価格情報は、国土交通省が取引した人へのアンケートなどをもとに公表している情報です。
また、成約価格情報には、レインズに登録された成約情報を、個別の取引が分からないように加工したデータが使われています。
ただし、近くで売れた物件なら何でも参考になるわけではありません。
同じ市区町村でも、
- 駅までの距離
- 土地の広さ
- 建物の広さ
- 築年数
などが大きく違えば、価格も変わります。
自分の家とどのくらい条件が近いのか
を見ることが大切です。
不動産情報ライブラリには、いろいろな価格がある
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、価格に関するいろいろな情報を見ることができます。
たとえば、
- 不動産取引価格情報
- 成約価格情報
- 地価公示
- 都道府県地価調査
などです。
ただし、これらは同じ価格ではありません。
実際に不動産がいくらで取引されたかを知りたい場合は、取引価格や成約価格が参考になります。
地域の土地価格を公的な数字で確認したい場合は、地価公示や都道府県地価調査が参考になります。
大切なのは、
「この数字は、何の価格なのか」
を確認することです。
公示地価を見れば、自宅の売却価格が分かるの?
査定書などで「公示地価」という言葉を見ることがあります。
地価公示は、国が毎年、決められた地点の土地価格を公表する制度です。
土地の売買をするときに参考になる公的な数字の一つです。
ただし、
近くの公示地価 × 自宅の土地面積
だけで、自宅の売却価格が決まるわけではありません。
同じ地域の土地でも、
- 土地の形
- 道路との接し方
- 方角
- 広さ
- 使いやすさ
などが違います。
戸建てなら、建物の築年数や状態もあります。
公示地価は大切なデータですが、
「この家が実際にいくらで売れるか」をそのまま表す数字ではありません。
実際に売れた物件の価格などと一緒に見るのがよいでしょう。
査定額は「数字だけ」で決めない
家を売ろうとすると、
「どの会社に頼めばいい?」
「仲介と買取はどっちがいい?」
「いつ売ればいい?」
など、いろいろな疑問が出てきます。
その前に、まず確認したいのが、
自分の家はいくらくらいになりそうなのか
ということです。
そして、査定額を見るときには、
なぜその金額なのか
も一緒に確認してください。
一つの査定額だけを見て、
「これが正しい価格だ」
と思い込む必要はありません。
実際に売れた物件や、公的なデータ、自分の家の条件などを見ながら考えることが大切です。
次に知っておきたいこと
価格について分かったら、次は売り方を考えてみましょう。
「仲介と買取、どちらを選ぶ?」では、仲介と買取の違いを、価格や売れるまでの時間などから説明しています。
まだ売却の準備を始めていない場合は、「家を売るとき、最初に確認しておきたいこと」も参考にしてください。
まだ売ると決めていなくても、査定することはできます。
まずは、自分の家がいくらくらいになりそうか確認してみてください。