GUIDE 03
家を売るとき、最初に確認しておきたいこと
「家を売ろうかな」と思っても、
「何から始めればいいの?」
と迷う人は少なくありません。
不動産会社に行く前に、書類を全部そろえる必要があるのでしょうか。
住宅ローンが残っていても売れるのでしょうか。
古い家なら、先にリフォームしたほうがいいのでしょうか。
最初から全部分かっている必要はありません。
まずは、次の7つを確認してみてください。
- なぜ売りたいのか、いつまでに売りたいのか
- 家は誰の名義なのか
- 住宅ローンはいくら残っているのか
- 家を買ったときの契約書や領収書があるか
- 土地・建物・マンションの資料が残っているか
- 家の不具合や修理したところがあるか
- 今いくらくらいで売れそうか
全部そろっていなくても大丈夫です。
分かることから、一つずつ確認していきましょう。
1.なぜ売りたいのか、いつまでに売りたいのか
最初に考えたいのは、
なぜ家を売りたいのか
です。
理由は人によって違います。
たとえば、
- 住み替えたい
- 相続した家を売りたい
- 住宅ローンの負担を減らしたい
- 転勤する
- 使っていない家を手放したい
などです。
次に、
いつ頃までに売りたいのか
も考えてみてください。
「急いでいないので、できるだけ高く売りたい」
という人もいます。
「住み替えの日が決まっているので、3か月後までに売りたい」
という人もいます。
この2人では、売り方が変わることがあります。
最初から細かい予定まで決める必要はありません。
まずは、
- なぜ売りたい?
- いつ頃までに売りたい?
- 高く売ることと、早く売ることでは、どちらを大切にしたい?
この3つだけでも考えておくと、そのあとの話が進めやすくなります。
2.家は誰の名義になっている?
次に確認したいのは、家や土地の名義です。
長く自分で住んでいる家でも、自分一人の名義とは限りません。
夫婦で共有していることもあります。
親子や兄弟など、複数人の名義になっていることもあります。
相続した家では、昔の名義のままになっている場合もあります。
まず、
今、誰の名義になっているのか
を確認してみてください。
名義が分からない場合は、法務局で「登記事項証明書」を取得すると確認できます。
「登記簿謄本」という言い方を聞いたことがある人もいると思いますが、現在は「登記事項証明書」という名称が使われています。
登記事項証明書を見ると、その土地や建物の所有者が誰なのかを確認できます。
複数人で所有している場合は、誰と共有しているのかや、それぞれの持分(どのくらいの割合を所有しているか)も確認できます。
登記事項証明書は法務局の窓口で取得できるほか、オンラインで請求することもできます。
ただし、土地や建物を指定するときには、普段使っている住所とは別に、土地の「地番」や建物の「家屋番号」が必要になります。
地番や家屋番号は、権利証(登記済証)や登記識別情報通知書、固定資産税の課税明細書などで確認できることがあります。
それでも地番や家屋番号が分からない場合は、管轄の法務局(登記所)へ問い合わせて、調べ方を確認することができます。
法務局によっては、普段使っている住所と土地の地番を照らし合わせるための「ブルーマップ」を備え付けているところがあります。ブルーマップを使えば、住所から地番を確認できる場合があります。
ただし、ブルーマップがない地域もあります。その場合は、分かっている周辺の地番を手がかりに、法務局に備え付けられている地図や公図などから目的の土地を探す方法があります。
分からないときは、無理に自分だけで調べようとせず、管轄の法務局で「この住所の土地の地番を確認したい」と伝え、どの資料を使えばよいか確認すると分かりやすいでしょう。
複数人の名義になっている場合は、自分一人だけで家全体を売ることができない場合があります。
名義が複雑な場合や、相続した家の名義が整理されていない場合は、不動産会社や司法書士などへ確認してください。
ただし、最初から登記の難しい内容まで理解する必要はありません。
まずは、
自分一人の名義なのか。誰かと共有しているのか。
ここを確認すれば十分です。
3.住宅ローンはいくら残っている?
住宅ローンを返している途中の家を売る場合は、ローンがいくら残っているか確認してみてください。
大切なのは、
家を売ったお金で、残っている住宅ローンを返せそうか
ということです。
たとえば、住宅ローンが2,000万円残っているとします。
家の査定額が2,100万円だったとしても、
「100万円余る」
とすぐに考えることはできません。
査定額と実際に売れた金額は違うことがあります。
また、家を売るときには仲介手数料などのお金がかかることもあります。
ですから、
いくらで売れそうか
と、
ローンはいくら残っているか
は別々に確認してください。
正確な残高が分からない場合は、
- 残高証明書
- 返済予定表
- インターネットバンキング
などで確認できることがあります。
4.家を買ったときの契約書や領収書はある?
家を買ったときの書類も探してみてください。
たとえば、
- 売買契約書
- 購入したときの領収書
- 建築した家なら建築時の契約書
などです。
こうした書類は、あとで税金を確認するときに役立つことがあります。
家を売って利益が出ると、税金がかかる場合があります。
税金を計算するときには、
その家をいくらで買ったのか
が重要になることがあります。
税金の計算では、購入したときにかかったお金などを「取得費」と呼びます。
そのため、昔の契約書や領収書でも、残っているなら捨てずに保管しておきましょう。
もちろん、
「何十年も前に買ったので、書類がない」
ということもあります。
書類がないから家を売れないわけではありません。
ただし、買ったときの金額が分からない場合は、税金の計算方法が変わることがあります。
税金について詳しく確認する必要があるときは、税務署や税理士などに相談してください。
5.家や土地の資料が残っているか確認する
次に、家や土地についての資料を探してみましょう。
戸建てや土地なら、
- 登記関係の資料
- 測量図
- 建物の図面
- 家を買ったときにもらった資料
などが残っていることがあります。
マンションなら、
- 管理規約
- 使用細則
- 管理費の資料
- 修繕積立金の資料
などがあるかもしれません。
ここでも、
最初から全部そろえる必要はありません。
まずは、自宅にどんな資料が残っているかを見るだけで大丈夫です。
あとで必要な書類があれば、不動産会社などに聞きながらそろえれば問題ありません。
最初から役所や法務局へ行って、必要かどうか分からない書類まで全部集める必要はありません。
6.家の不具合や、直したところを確認する
戸建てやマンションを売る場合は、建物について分かっていることも整理しておきましょう。
たとえば、
- 雨漏りを直した
- 給湯器を交換した
- 屋根を修理した
- 外壁を直した
- お風呂やキッチンをリフォームした
- 過去に水漏れがあった
などです。
工事をしたときの、
- 見積書
- 請求書
- 保証書
- 写真
などが残っていれば、一緒に保管しておくと分かりやすくなります。
ここで大切なのは、
不具合があるからといって、先に全部直そうとしないこと
です。
売る前に直したほうがよい場合もあります。
そのまま売ったほうがよい場合もあります。
先に不動産会社などへ相談してから決めたほうがよいでしょう。
中古住宅では、専門家に建物の状態を見てもらう「建物状況調査(インスペクション)」という方法もあります。
ただし、中古住宅を売る人が必ず行わなければならないものではありません。
必要かどうかは、家の状態や売り方を見ながら考えれば大丈夫です。
7.今いくらくらいで売れそうか確認する
最後に確認したいのが、家の価格です。
近所で3,500万円の家が売りに出ていたとしても、
「うちも3,500万円で売れる」
とは限りません。
インターネットに出ている金額は、実際に売れた金額ではなく、売主が希望している「売出価格」のことがあります。
そのため、
- 近くで実際にいくらで売れたのか
- 土地や建物の広さ
- 築年数
- 場所
などを見ながら考える必要があります。
査定額を見るときにも、
金額だけではなく、なぜその金額になったのか
を確認してみてください。
家がいくらくらいになりそうか分かると、
- 住宅ローンを返せそうか
- 住み替えにいくら使えそうか
- 仲介と買取のどちらを考えるか
- 急いで売る必要があるか
なども考えやすくなります。
リアルに不動産では、取引事例や公的データなどを見ながら、家がいくらくらいになりそうか確認できます。
売る前に、先にやらなくてもいいこともある
「少しでも高く売るために、何かしておいたほうがいいのでは?」
と思う人もいるでしょう。
ただし、お金がたくさんかかることは、査定や相談の前に決めないほうがよい場合があります。
大きなリフォーム
古い家だからといって、何百万円もかけてリフォームすれば、その分だけ高く売れるとは限りません。
買主が、
「自分で好きなようにリフォームしたい」
と考えている場合もあります。
建物の解体
古い家があるからといって、
「更地にしたほうが売れそう」
とすぐに壊すのもおすすめできません。
建物があるほうがよい場合もあります。
誰に売るかによっても変わります。
必要か分からない書類集め
最初から役所や法務局へ行って、たくさんの書類を取る必要はありません。
必要になったものを、その都度そろえれば大丈夫です。
一番高い査定額だけで会社を決める
3社に査定を頼んで、一番高い会社へすぐ決める必要もありません。
大切なのは、
なぜその金額になったのか
を確認することです。
先に高いお金をかけるのではなく、
まず価格や家の状態を確認してから、必要なことを決める
ようにしてください。
書類が全部なくても、査定はできる
ここまで読むと、
「うちは書類が全然ない」
「住宅ローンがいくら残っているか、まだ分からない」
という人もいるかもしれません。
それでも大丈夫です。
簡単な査定なら、
- 住所
- 物件の種類
- 土地や建物の広さ
- 築年数
などの基本的な情報から始められる場合があります。
もちろん、本当に家を売ることになれば、あとから詳しい確認が必要です。
でも、
全部の書類をそろえてからでないと、査定できないわけではありません。
まず、家がいくらくらいになりそうか確認する。
そのあとで、
住宅ローンや名義、書類などを一つずつ確認する。
その順番でも問題ありません。
家を売りたいと思ったら、まずこの7つを確認する
家を売ることは、多くの人にとって何度も経験することではありません。
最初から何をすればいいか全部知っている人は、ほとんどいないでしょう。
ですから、完璧に準備する必要はありません。
まず、
- なぜ売りたいのか
- いつまでに売りたいのか
- 誰の名義なのか
- 住宅ローンはいくら残っているのか
- どんな書類が残っているのか
- 家について分かっている不具合や修理はあるか
- 今いくらくらいで売れそうか
を確認してください。
分からないことがあっても大丈夫です。
分かることから、一つずつ確認していけば十分です。
次に知っておきたいこと
査定を受ける前に、査定額がどういう意味なのか知りたい場合は、「査定価格と実際の売却価格は何が違う?」を読んでみてください。
査定価格、売出価格、実際に売れた価格の違いを説明しています。
売り方について迷っている場合は、「仲介と買取、どちらを選ぶ?」も参考になります。
まだ本当に売るか決めていなくても、査定はできます。
まず、自分の家が今いくらくらいになりそうか確認してみてください。